2017年 03月 17日

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第1話〜はじめてのNH風俗の面接

夏目あん

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東京、新大久保——。
猥雑、カオス、およそ清潔とは言い難い街。
駅からほど近い喫茶店が待ち合わせの場所だった。

これからはじめてのNH風俗の面接……。

……ふ、風俗?!
わたしは何をやってるんだろう?
なんでまた軽はずみに応募しちゃったんだろう……。

いや、落ち着こう。
実は約束の二時間前に駅に着き、近くの居酒屋『さくら水産』であらかじめビールをジョッキで二杯キメてきたところだった。
ダメだ、こんなことでは。
(面接で落ちたり、怖気づいて逃げたりしても、それも経験……)
そう言い聞かせられる程度には気が大きくはなった。ああ、お酒の力は偉大。


……
……


「ふーむ。水商売してるのね。あー、ニューハーフバーね。男の人とのエッチの経験は?」
「ええと……それなりですね。でもそんなに豊富というワケでも……」
「好き?」
「何がです?」
「エッチ」
「まあ、嫌いでは……ないですね……」
「おー。いいじゃん。身体の状態は?」
「といいますと」
「おっぱいは?ホルモン?」
「ホルモンだけですね」
「玉は?」
「一応まだついてますけど。あ、脱毛は済んでます」
「ふむ……うーん、未経験ね。いやね、実を言うと、うちの店、未経験の子いないから、もしよければぜひ働いてほしいんだけど。未経験ってだけで来るお客さんいるしさ」
「そうなんですか」
「そうだよー。なんか心配なことでも?」
「なんていうか……できるのかなって」
「駄目だったらすぐ辞めればいいんだよ。それはしょうがないことだし。俺らも『あーあの子ダメだったか』って、それで終わりだから」
「はあ……」
「週にどれくらい入れそう?」
「えっと……そ、そうですね。バイトとの掛け持ちなので、週に2回か3回くらい?」
「そっか。まあ最初だからね〜それでね、近々パネル撮りたいんだけど、今週何曜日ならオッケー?」

どうやら、わたしは風俗で働くことになってしまったらしい。
……自分で求人に応募しといてずいぶんな言い方だけれど。

お金は欲しかった。この先、生きたいように生きるには何かとお金が入用になる。
払わなければならないお金もあった。
でもそれだけだったろうか。
自分を試してみたい気持ち、好奇心、はたまた……
こういっては身も蓋もないけれども、投げやりさ。
そもそも生まれついた性別を捨てようとしている時点で、既にわたしの未来から多くのものは失われていた。そのことについてはまた別の時に語ろうと思う。

そうは言っても不安は募る。ビール二杯ではとてもやり過ごせそうにない。
わたしは自分に言い聞かせた。
(そうだ、駄目だったら引き返せばいい。そうなったらこれまで通りバイトと水商売の掛け持ちで当分は生きていけばいい。これはちょっとした冒険……)


二年半後——
あの新大久保の『さくら水産』の入り口に閉店のお知らせの紙が貼られていた。この辺りは飲食店の入れ替わりがとても激しい。
わたしは足を止める。付近のホテルでの接客をひとつ終えてきたところだ。
あのとき、ひとりでお店に入って、ビールを立て続けに二杯飲んだことを思い出す。
面接が終わった後、また入ってビールを飲んだ。きっと変な客に思われただろう。

さてそれから季節は巡りに巡り……
わたしは新大久保の別の店で週に5、6回出勤していた。
すぐに引き返すどころではなかった。
頭のてっぺんまでつかりきっていたのである。

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文|夏目あん

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うちの看護師にできることと言ったら・・・in渋谷KANGO

このコラムを書いた人

夏目あん

「都内NHヘルス勤務の「ツイてる」風俗嬢。 実は東大卒という異色の経歴を持ちながら、 ホステスから風俗と夜の世界を渡り歩く。 乳あり下あり、SとM、タチとネコの両方をこなし、 発射もしてしまうユーティリティープレイヤー」

夏目あん

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